この会社について
介護の悩みは、介護だけでは終わらない。施設を運営する側には、人材不足や経営、制度に関する悩みがある。利用する本人や家族には、介護そのものだけではなく、相続、不動産、空き家、終活、葬儀など、暮らしにまつわるさまざまな問題が生まれてくる。しかし、困ったときに「まずここに相談すればいい」と思える場所は、意外と少ない。
そんな介護を取り巻く課題を、一つの窓口から解決できる仕組みをつくろうとしているのが、一般社団法人「介護のミカタ」だ。代表理事を務めるのは、宮崎県宮崎市出身の本田いちごさん。
実は、この活動は最初から「介護のミカタ」という名前で始まったわけではない。原点にあるのは、高齢者と若者が交流する小さな地域活動——その名も「おせっかいプロジェクト」だった。
この地域で事業をする理由
本田さんは宮崎県宮崎市出身。現在は東京を拠点に活動している。地元を離れたからといって、地元との関係がなくなるわけではない。むしろ東京に出たことで、全国の経営者、企業、専門家との接点が増えた。そのつながりを地域へ還元していくことも、本田さんが大切にしているテーマだ。
介護は、東京だけの問題ではない。高齢化が進む地域では、人材確保、施設経営、家族支援など、さらに大きな課題になる可能性がある。だからこそ、東京でつくった仕組みやネットワークを、地方でも使える形にしていきたいという。
「東京にいるから地元のためにできない、とは思っていません。東京だから出会える企業や人もいます。そのつながりを宮崎や地方に持っていくことも、地元への関わり方だと思っています」
地元で働くことは、必ずしも地元に住むことだけではない。東京にいながら地元企業を支える。自分の仕事を通じて地域の課題を解決する。そんな「地元との関わり方」もある。
会社を始めたきっかけ
介護のミカタの前身となる活動の一つが、「おせっかいプロジェクト」だ。始まりは、若者と高齢者が自然に交流できる場所をつくること。東京都内を中心に、高齢者向けのスマートフォン教室やストレッチ、健康や栄養について学ぶ講座など、日常生活に近いテーマのイベントを開催してきた。
若者が先生になることもあれば、高齢者から若者が教えてもらうこともある。そこにあるのは、「支援する側」と「支援される側」という一方通行の関係ではない。世代を超えて、お互いに顔が見える関係をつくることだった。
活動の名前を「おせっかい」としたのにも理由がある。「困ってから相談してください」ではなく、困る前から、ちょっと声をかける。「大丈夫ですか?」「何か困っていませんか?」——そんな、少しのおせっかいが人を助けることもある。
イベントだけでは解決できない困りごとがあった
高齢者と直接接する機会が増えるほど、イベントの時間だけでは見えなかった生活の悩みも見えてくる。そして高齢者本人だけではない。その家族。介護を支える人。介護施設。ケアマネジャー。一人の高齢者を取り巻くだけでも、たくさんの人が関わっている。
さらに、その人たちが抱えている問題は「介護」という一言では片付けられない。相続。実家や空き家。不動産。終活。葬儀。家族の問題。そして介護施設側には、採用、人材不足、経営、制度、業務負担などの課題がある。
「人と関われば関わるほど、その先にある困りごとが見えてきたんです。それを『私たちはイベントをやっている団体なので』で終わらせたくなかったんです」
地域だからこその強み
介護のミカタが目指すのは、すべての問題を自分たちだけで解決することではない。それぞれの分野を得意とする企業や専門家とつながり、相談内容に応じて最適な人へつなぐ。いわば、「介護を起点とした総合相談窓口」だ。
「私たちが全部の専門家になる必要はないと思っています。不動産なら不動産のプロ、相続ならその専門家、採用なら採用のプロがいる。大切なのは、困っている人が『誰に相談すればいいの?』と迷わなくていいことだと思っています」
終活や葬儀屋。数千人が在籍するケアマネジャーネットワーク。介護施設と利用者・家族をつなぐデジタルサービス。採用支援会社。不動産や相続など、介護の先で発生する生活の問題。それぞれの分野で強みを持つ企業や専門家がつながれば、一つの会社だけでは解決できない問題にも対応できる。
ロゴに込めた、「みんなで支える」という想い
介護のミカタのロゴには、中央のハートを複数の人が囲むデザインが使われている。中央のハートは、介護を必要とする本人や家族。その周囲を囲む人々は、介護施設、ケアマネジャー、家族、地域、専門家など、介護に関わるさまざまな人たち。一人で抱えるのではなく、みんなで支える。「みんなで支える、みんなのミカタ。」おせっかいプロジェクトから始まった考え方が、このロゴにも表れている。
現在抱えている課題
支援するのは、利用者や家族だけではない。介護サービスを提供する施設側にも、さまざまな課題がある。その入口の一つとして取り組んでいるのが、介護事業者向けの加算無料診断だ。
介護報酬制度には、一定の条件を満たした事業者が取得できるさまざまな加算がある。一方で制度は複雑で、取得できる可能性のある加算を十分に活用できていないケースもある。介護のミカタでは、施設の状況をヒアリングし、必要な情報や書類を確認した上で、増収につながる可能性がないかを診断する。
しかし、本田さんが考えているのは、加算だけではない。「施設さんと話していると、加算の話から始まっても『採用にも困っている』『現場の業務をもっと楽にしたい』と、いろんな話が出てきます。だったら、その相談も一緒に受ければいいと思うんです」
困っていると言われてから商品を売るのではない。会話の中から、「もしかして、ここも困っていませんか?」と気づく。これもまた、「おせっかいプロジェクト」から続く考え方なのかもしれない。
これから挑戦したいこと
おせっかいプロジェクトから始まり、高齢者との交流を続ける中で見えてきたさまざまな困りごと。その一つひとつに向き合おうとした結果、活動はイベントから、より大きな仕組みづくりへと広がった。それでも、本田さんがやろうとしていることの根っこは変わっていない。
困っている人がいたら、声をかける。自分たちで解決できなければ、解決できる人を探す。必要な人同士をつなぐ。
「『それはうちの仕事じゃないので』で終わらせたくないんです。相談してもらったなら、私たちにできなかったとしても、できる人を探してつなげたい」
介護施設で何か困ったとき。利用者や家族が誰に相談すればいいか分からないとき。「一回、介護のミカタに聞いてみよう。」そう思い出してもらえる存在になること。それが、介護のミカタが目指す未来だ。
東京・全国とつながるなら
介護のミカタでは、介護施設・介護事業者をはじめ、介護に関わる企業・専門家・地域との連携を広げています。
- 介護施設として相談したい
- 介護に関する困りごとを相談したい
- 自社サービスとの協業を相談したい
- 地域で介護のミカタと連携したい
- 活動について詳しく聞きたい
介護を起点に、困っている人と、解決できる人をつなぐ。そんな輪を、全国へ広げていきます。
読者へのメッセージ
高齢化が進む日本で、介護は一部の人だけの問題ではない。今は関係がなくても、いつか自分自身が介護を受けるかもしれない。親の介護が始まるかもしれない。ある日突然、家族として介護と向き合うことになるかもしれない。
だからこそ、相談できる場所がある。頼れる人がいる。必要な人につないでもらえる。そんな仕組みが必要だ。
施設のミカタ。働く人のミカタ。ケアマネジャーのミカタ。利用者のミカタ。家族のミカタ。そして地域のミカタへ。介護の困りごとを、ひとりで抱えない社会へ。一般社団法人「介護のミカタ」の挑戦は、まだ始まったばかりだ。
企業プロフィール
- 代表者
- 代表理事 本田 いちご
- 所在地
- 東京都(宮崎県宮崎市出身)
- 事業内容
- 加算無料診断/介護施設の経営課題に関する相談・支援/介護利用者・家族向け相談窓口/企業・団体・専門家との連携
CONNECT
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